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手汗・多汗症(手掌多汗症)治療

手汗や多汗症(手掌多汗症)は、単なる体質ではなく、日常生活の質に大きく関わる疾患です。当院では、患者様のお悩みに寄り添い、適切な診断と専門的な治療への橋渡しを行っております。

手掌多汗症(手のひらの多汗症)の特徴

手掌多汗症のイメージ

手掌多汗症とは、緊張や暑さに関わらず、手のひらに日常生活に支障をきたすほど多量の汗をかいてしまう状態のことです。身体的な疾患というよりも、交感神経が過剰に反応してしまう体質的な要因が大きいとされています。幼少期や思春期から症状が現れることが多く、多くの患者様が「自分だけではないか」と一人で悩まれているのが現状です。

日常生活における具体的なお悩み例

手掌多汗症の方は、以下のような場面で不便やストレスを感じることが多くあります。

  • テストの用紙が汗でふやけて破れてしまう
  • スマホの操作やPCのキーボード入力がスムーズにできない
  • 握手をするのがためらわれる
  • 手元の作業(手芸、工作、楽器の演奏など)に支障が出る
  • 常にハンカチを持ち歩かないと不安

当院における治療:

手掌多汗症の治療について

手のひらの多汗症(手掌多汗症)は、現在では複数の治療選択肢があり、症状の程度やライフスタイルに合わせて選ぶことができるようになっています。

1. 保険適用で受けられる主な治療法

当院では、まずは体への負担が少ない「外用薬(塗り薬)」から開始することが一般的です。

■ 抗コリン外用薬(塗り薬)

近年、手掌多汗症用に開発された新しい塗り薬が保険適用となりました。

  • 特徴: 汗を出す指令を出す物質(アセチルコリン)をブロックします。

  • 使用方法: 1日1回、就寝前に手のひらに塗布します。

  • メリット: 刺激が少なく、毎日継続することで効果を実感しやすい治療です。

■ 塩化アルミニウム液(塗り薬)

長年行われている治療法で、汗の出口(汗孔)を物理的に塞ぐ方法です。

  • 特徴: 院内製剤として処方されることが多い薬です。

  • 使用方法: 就寝前に塗布し、翌朝洗い流します。

  • 注意点: 人によっては皮膚への刺激(かゆみ・赤み)が出ることがあります。

■ 内服薬(飲み薬)

全身の汗を抑える「抗コリン薬」を服用します。

  • 特徴: 手のひらだけでなく、全身の多汗が気になる場合に有効です。

  • 注意点: 口の渇きや便秘、眠気などの副作用が出ることがあるため、医師と相談しながら調整します。


2. その他の治療選択肢

症状が重い場合や、塗り薬で十分な効果が得られない場合には、以下の治療法を検討することもあります。

  • イオントフォレーシス 微弱な電流を流した水に手を浸す治療です。数回の通院が必要ですが、副作用が少なく有効な方法です。

  • ボツリヌス療法(注射) 手のひらに直接注射を行い、神経からの汗の指令をブロックします。効果は数ヶ月持続しますが、注射時の痛みがあることや、保険適用には重症度の条件があります。

  • 手術療法(ETS:胸部交感神経遮断術) 内視鏡を使い、発汗のスイッチとなっている神経を遮断します。根本的な解決が期待できますが、「代償性発汗(他の部位の汗が増える)」などのリスクを十分に理解する必要があります。

専門的な手術治療(ETS)のご紹介

胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)を専門的にご希望の患者様には、適切な医療機関へのご紹介を行っております。当院では、大阪府守口市にある「関西医科大学総合医療センター:上部消化管外科/腹部ヘルニア・機能外科センター」と連携しております。

関西医科大学総合医療センター 腹部ヘルニア機能外科センター

外部サイト:関西医科大学総合医療センター(大阪府守口市:滝井・太子橋今市駅)

多汗症の症状と治療

暖かい季節から暑い時期にかけて、わき汗の悩みは深くなります。多汗症でお悩みの方には、まずは塗り薬による治療を試してみることをお勧めしています。多汗に悩まれたら、ぜひ一度ご相談ください。

原発性局所多汗症の診断基準

局所的に過剰な発汗が明らかな原因がないまま6ヶ月以上認められ、以下の6項目のうち2項目以上を満たす場合に診断されます。

1 発症が25歳以下であること
2 左右両側、対称性に発汗がみられること
3 睡眠中は発汗が止まっていること
4 1週間に1回以上、多汗のエピソードがあること
5 家族歴(家族に同様の症状がある)がみられること
6 日常生活に支障をきたすこと

多汗症の重症度判定(HDSS)

自覚症状により、以下の4段階に分類されます。このうち3および4の状態を重症の指標としています。

スコア1 発汗は全く気付かず、日常生活に全く支障がない
スコア2 発汗は我慢できるが、たまに日常生活に支障がある
スコア3 発汗はあまり我慢できず、しばしば日常生活に支障がある
スコア4 発汗は耐え難く、常に日常生活に支障がある

このほか、発汗量を測定する定性的測定法定量的測定法などを用いて、より詳細な診断を行うこともあります。

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