PDD-TUR-Bt 光線力学診断-経尿道的膀胱腫瘍切除術
Photodynamic Diagnostics
光力学診断(PDD)により、人間の目では認識できない初期ステージの悪性腫瘍が 可視化されるため、初期ステージの腫瘍を的確に検出し、完全に切除が可能になれ ば、患者の予後が大幅に改善されます。
腫瘍検出の原理は、ヘム生合成における腫瘍細胞の代謝活性の変化に基づいてい ます。5-アミノレブリン酸(5-ALA)が体内に取り込まれると、正常細胞ではヘムに代謝されます が、癌細胞ではその中間産物である ProtoporphyrinIX(PpIX)という物質に蓄積されます。この PpIXに青色励起光を照射すると、赤色に蛍光を発するため、正常細胞との区別がつき易くなり、微小な がん細胞の見落としを軽減します。
肉眼では見えない腫瘍、特に初期段階の悪性腫瘍を可視化 することを可能にします。PDDでは、腫瘍が赤色に蛍光するため、青色で捉えられる周囲組織と 明確に区別することができます。
(Karl Storz社より)
膀胱がんは世界で9番目に多い癌であり、筋層非浸潤性膀胱がんと筋層浸潤がんに別れます。筋層非浸潤性膀胱がんの再発率は平均 30〜70% であり、そのうちの40〜60%が2年以内に再発しています。PDDでは、腫瘍が赤色に蛍光するため、青色で捉えられる周囲組織と 明確に区別することができ、従来の白色光による膀胱鏡では観察困難な小さながんや平坦ながんを見つけ出し切除します。