尿失禁に対する膀胱ボトックス注射治療
薬を飲んだり、骨盤底筋トレーニングや膀胱訓練をしても尿意切迫感・頻尿・尿もれの治癒効果が少なくとも12週間の継続治療を行っても効果がない方は難治性過活動膀胱の可能性があります。その際には通常薬剤の変更や併用療法などを行っていきます。
内服などされた方で、週1回以上尿もれがある方などに、A型ボツリヌス毒素膀胱壁内注射療法が健康保険の適応になりました。
健康保険適応で、1回費用は、3割負担の方で約6万円です。効果には個人差がありますが、おおよそ4〜8ヶ月の効果期間が期待でき、年1〜2回膀胱内に注射することで、お薬を飲まなくても症状がでなくなります。
膀胱鏡にて、膀胱内を観察後、膀胱内に20箇所の注射をします。手術時間はおおよそ10−30分ほどです。
抗コリン薬やβ3作動薬をのんでも切迫感や尿もれに困る方は相談してください。
ボツリヌス療法を受けられない方:
- 尿路感染症にかかっている方
- 尿をだしきれない症状があるのに導尿を行っていない方
- 全身性の筋力低下を起こす病気がある方
- 妊娠中あるいは授乳中の方、妊娠している可能性のある方
- この治療により、アレルギーを生じることがわかっている方
- 自己導尿が必要になった場合に、導尿の実施に同意いただけない方
ボツリヌス療法を受ける際に注意が必要な方:
- ボツリヌス療法を受けた経験がある方
- 現在、薬を使用している方(市販薬を含む)
- 喘息など、慢性的な呼吸器の病気がある方
ボツリヌス療法の副作用:
- 尿路感染
- 残尿の増加
- 尿閉
*残尿の増加、尿閉などの副作用は、効果と同様、時間の経過とともに消失します。なお、これらの治療に「自己導尿」が必要な場合があります。